楽しい製作
製作はたくさん取り入れています。
作品にもよりますが、必要以上の指示を出す事はせず、子どもたちの創造力で作品を作ることを大事にしています。
子どもたちはアイディアを駆使して、個性豊かな作品を作り上げます。
私たち保育者は「年長児だから、年中児だから、これだけは出来なければいけない。」とは考えません。
どの子にも得手不得手があり、個性があります。出来栄えを見て他の子と比較して上手下手の評価をすることはありません。
保育者は子どもたち一人ひとりが楽しんで取り組めるよう配慮しつつ、その子なりの向上が図られるように指導にあたっています。
☆製作を見て思う☆園長 柳瀬 伸子 つくしの会だよりより抜粋
雲一つない秋晴れのある日。縦割りで製作をしました。茶色の折り紙でドングリを折り、台紙に貼る秋の定番の製作です。この時期、縦割りの製作はだいたい担任一人で指導できるようになります。一学期当初を思えばすごい成長です。各部屋を順に回ってみました。
まずは製作中のひつじのへやへ。皆きちんと座って先生の説明を聞いています。年少のKくんや桃組のRちゃんは時折「せんせー!」「わからなーい。」と声を上げています。すると先生より先に年長のしっかり者のお姉さんたちがさっと近寄って折り方を教えてあげていました。縦割り製作の良さはこういうところにあります。
次にことりのへやへ。先生の見本が貼ってあります。木になっているリアルなドングリ、ドングリやじろべえ、縄跳びをしているドングリ君の3種類。興味をそそられる見本を見ながら、子どもたちはわくわくしながら作りました。年中のT君、S君、Hちゃん、Yちゃんの作品には一つ一つのドングリにお父さん、お母さん、本人、きょうだいの名前が書いてありました。仲良し一家の様子が伝わって来ます。
最後にすみれのへやへ。すでに作品は完成し、壁に貼ってあります。台紙を2枚つなげた大作が目を引きます。年長のT君とM君は一枚の台紙には収まらないほどのたくさんのドングリを作りました。年長のR君の作品も印象的。茶色、焦げ茶、ベージュの折り紙で作った大きなドングリ8個と小さなドングリ15個を一枚の台紙に散らすように所々重ねて貼り付けています。どこかで見たこの風景。そう、遠足で行った昭和の森に落ちていたドングリにそっくりです。大小さまざまのドングリがたくさん落ちていて、皆、夢中で取りました。あの楽しかった一日がよみがえって来るそんな素敵な作品に仕上がっていました。
なかなか自分を出せなくて、年少から年中の間は一切体操や製作などの一斉活動に参加せず、じっと見ていたR君。そんな彼が年長になって自然に製作をやるようになったのです。私たち職員のその時の喜びといったら!拍手したい気持ちを抑えるのが大変でした。(また振り出しに戻ったらおおごとです。)ご両親も長いこと辛抱強く待ってくださいました。周りの子たちも彼がやらないからといって、不思議がるでもなく、強いるわけでもなく、受け入れていました。皆で見守った長い期間はR君の根っこに水をやっていた期間だったのでしょう。今ようやく開いたその花(作品)は見事です。体操もクリアし、持ち前の駿足で仲間と一緒にサッカーや鬼ごっこを楽しむR君を見て、改めて「待つ」保育の大切さを知らされたように思います。
そんな私たちのすべてを見守ってくださる神さまが澄み切った青空の下、すぐそこにいらっしゃるような気がしました。感謝です。